山手線唯一の踏切はなぜ残る?第二中里踏切の廃止時期と立体交差化の真相

目次
山手線唯一の踏切はなぜ残る?第二中里踏切の廃止時期と立体交差化の真相
山手線唯一の踏切はなぜ残る?第二中里踏切の廃止時期と立体交差化の真相
@ creator • Click to Play Video Inline
🎵 山手線唯一の踏切はなぜ残る?第二中里踏切の廃止時期と立体交差化の真相

日本屈指の超過密ダイヤを誇る大動脈・JR山手線。最新鋭のE235系が全自動運転(ATO)の導入実証を進め、全線が高架または掘割で立体交差化されているイメージが強い環状線ですが、実は現在も「たった1カ所だけ」一般道と平面交差する踏切が存在します。

その場所こそ、駒込駅と田端駅の間に位置する「第二中里踏切」です。通勤ピーク時には遮断機が下りっぱなしになる「開かずの踏切」として知られ、安全面や都市防災の観点から長年議論が続いてきました。2026年現在、進められている立体交差化事業の進捗や廃止時期、そしてなぜこの踏切だけが平成・令和の時代まで生き残ったのか、その知られざる歴史と最新状況を徹底取材しました。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:山手線唯一の踏切「第二中里踏切」は駒込〜田端間にあり、2026年現在も稼働中。
  • 要点2:武蔵野台地の急崖という特殊な地形と周辺の密集市街地が、長年立体交差化を阻んできた。
  • 要点3:北区による跨線橋新設事業が進行中で、完成に伴い踏切は正式に廃止される計画。

【山手線唯一の踏切】第二中里踏切の場所と基本スペック

第二中里踏切があるのは、東京都北区中里3丁目。山手線の駒込駅から東へ約400メートル、田端方面へ歩いて5分ほどの閑静な住宅街の一角です。

踏切の幅員員は約4.8メートルと比較的コンパクトですが、跨いでいる線路は山手線の内回り・外回りの複線(2線)に加え、隣接する湘南新宿ラインや貨物列車が走行する山手貨物線(複線)の計4線。山手線の列車だけでも日中は数分間隔、ラッシュ時には約2分間隔で次々とやってくるため、遮断機の警報音はひっきりなしに響き渡ります。

周囲には遮断機や警報機、障害物検知装置が整然と配置されており、山手線の最新鋭車両が目の前数十センチの距離を轟音とともに通過する光景は、都心の中心部とは思えない迫力と独特の日常感を醸し出しています。

なぜ山手線に踏切が1つだけ残されたのか?地形と歴史が阻んだ高架化の壁

山手線の環状運転が完成したのは1925年(大正14年)のこと。大正から昭和初期にかけて多くの区間で高架化が進められましたが、なぜ第二中里踏切だけが地上に取り残されたのでしょうか。最大の理由は「山の手と下町を分かつ極端な高低差」にあります。

駒込駅一帯は武蔵野台地の東端にあたる高台に位置する一方、田端駅側は低地へと一気に下る急崖地形です。第二中里踏切はこの高台から低地へ向かう坂の途中に位置しており、線路を道路の上へ持ち上げる「高架化」を行おうとすると、線路の勾配が急になりすぎて電車の安全運行に支障をきたします。

一方で、道路側をアンダーパス(地下化)しようとすれば、周辺の住宅地や複雑に入り組んだ路地との接続が破綻し、大雨による冠水リスクも跳ね上がります。線路の高架化も道路の地下化も極めて困難という地理的制約が、この踏切を令和の時代まで存続させる要因となったのです。

ピーク時は1時間で40分以上閉鎖|「開かずの踏切」が引き起こす地域の課題

第二中里踏切は、国土交通省から「改良すべき踏切道」に指定されている、典型的な開かずの踏切です。朝の通勤ラッシュ時間帯(午前8時台)には、1時間のうち40分以上も遮断機が下りた状態が続きます。

車1台が通るのがやっとの道幅であるため、自動車同士のすれ違いが難しく、踏切待ちの車列や歩行者、自転車が入り乱れて滞留することもしばしば。救急車や消防車などの緊急車両がスムーズに通行できない「地域分断」の問題は、地元住民にとって長年の切実な悩みとなっていました。

かつて存在した「長崎道踏切」の廃止と第二中里踏切の運命

山手線には過去、もう1つの有名な踏切が存在していました。目白駅〜池袋駅間にあった「長崎道踏切」です。

長崎道踏切もかつては山手線屈指の開かずの踏切として知られていましたが、周辺の道路再開発と歩道橋建設によって2005年(平成17年)に完全廃止されました。この時点で長崎道踏切が消滅したことにより、第二中里踏切は「山手線で名実ともに最後の踏切」となった経緯があります。

山手線29駅(当時)の環状ルート上で最後の砦となった第二中里踏切に対しても、長崎道踏切の廃止以降、撤去と立体交差化を求める声が一層強まることとなりました。

【2026年最新】立体交差化事業と跨線橋工事の現在地|廃止はいつになる?

気になる「第二中里踏切の廃止時期」ですが、現在東京都北区とJR東日本が共同で進める「中里地区都市計画道路(補助第92号線)および跨線橋新設事業」の完了に合わせて撤去される予定です。

計画では、踏切のすぐ東側に線路を跨ぐ歩行者・車両兼用の新たな「跨線橋(陸橋)」を建設し、交通流をすべてそちらへ切り替えます。2020年代前半から用地取得や基礎工事が進められており、現在の計画では2020年代後半から2030年前後の全面開通・踏切廃止を目標に工事が進められています。

現場周辺では重機による橋台・擁壁の整備が進み、かつての平面交差の風景は着実に最終章へと向かっています。開通と同時に踏切の遮断機は役目を終え、山手線から完全に「踏切」という設備が姿を消す瞬間が秒読み段階に入っています。

第二中里踏切の記録と写真撮影マナー|消えゆく昭和レトロな鉄道遺産

廃止が現実味を帯びるにつれ、第二中里踏切にはカメラを手にした鉄道ファンや散策に訪れる人々が増加しています。山手線の最新鋭車両E235系と、昔ながらの黄色と黒の遮断桿が織りなす対比は、東京の歴史の移り変わりを象徴する貴重なワンシーンです。

現地で写真撮影や見学を行う際は、以下のマナーを厳守することが求められます。

  • 踏切内や線路敷地内への立ち入りは絶対厳禁:黄色い点字ブロックの内側で待機し、警報機が鳴り始めたら直ちに安全な場所へ下がる。
  • 自動車や地域住民の通行を妨げない:道幅が非常に狭いため、三脚や脚立の使用は控え、手持ちでの撮影に留める。
  • フラッシュ撮影の禁止:列車の運転士に対する安全確保のため、発光機能は必ずオフにする。

【山手線の踏切】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:第二中里踏切へはどうやって行けますか?
A1:JR山手線の「駒込駅」東口を出て、線路沿いの道を田端方面(東方向)へ徒歩約5分進むと到着します。田端駅北口からも徒歩約10分程度でアクセス可能です。

Q2:山手線以外に、都心のJR主要路線で踏切は残っていますか?
A2:中央線快速(東京〜高尾)や総武線各駅停車などでも高架化・地下化が徹底されていますが、東海道線や横須賀線の品川〜横浜間などには一部踏切が残存しています。環状運転を行う山手線区間としては第二中里踏切が唯一です。

Q3:なぜ歩道橋ではなく車も通れる跨線橋を作るのですか?
A3:第二中里踏切は地域内の生活道路であると同時に、緊急車両の抜け道としても重要な役割を担っているためです。歩行者専用の歩道橋ではなく、エレベーターやスロープを備えた車道・歩道共用の跨線橋を整備することで、地域のバリアフリー化と防災性の両立を図っています。

まとめ:変貌を遂げる山手線の景色と地域の未来

世界一過密な環状鉄道として進化を続ける山手線において、第二中里踏切は古き良き東京の鉄道風景を今に伝える奇跡的な遺産といえます。しかし、日々の安全運行や都市防災、開かずの踏切による渋滞解消を考えれば、立体交差化による廃止は避けて通れない時代の必然です。

跨線橋工事が着々と進む今だからこそ、長年街の交通を支えてきた踏切の役割に敬意を払いつつ、安全な見学と街の新たな発展を見守りたいところです。 (出典: 山手 線 踏切(Yahoo!ニュース))

山手 線 踏切
山手 線 踏切
山手 線 踏切